べったり同居でストレス。独立二世帯でマイペースな暮らし

生活空間のほとんどを共用する「べったり同居」。親世帯と子世帯が常に目の届く範囲で生活しているため、協力し合う関係が築きやすい反面、時に人間関係に摩擦が起きてしまうことがあります。

名古屋市にお住まいのNさんも、かつて親との「べったり同居」にストレスを感じた方の1人でした。

べったり同居でストレス

3人兄弟の長男であるNさんは、結婚を機に親の持ち家だった平屋の7LDKに同居しました。Nさん夫妻に男の子が2人生まれると、Nさんの親と兄弟を合わせ、総勢8人での同居となりました。しかし、親子同居を想定してつくられた住まいではなかったため、さすがにお互いに摩擦も起き、結局、Nさん一家は近くに賃貸住宅を借りて独立することにしました。

しかしその後、家族の構成が変化し、7LDKに親世帯の2人だけが住むようになると、「一度離れたことで、逆にいつかは戻って親の面倒を看なければ」と奥様は考えるようになりました。また、Nさん自身も「35年ローンを組むなら40歳までに」という思いがあったため、家を建て替え、もう一度二世帯での同居をすることにしました。 最初の「べったり同居」の際は、距離が近すぎたのかもしれないと考えたNさんは、世帯間が少し距離を置いて同居できるように、「独立二世帯」を選択しました。

完全分離でマイペースな暮らし

新しいN邸は、どちらの世帯の玄関も1階にありますが、親世帯と子世帯の生活空間を完全に分離し、親世帯は1階で、子世帯は2階で暮らしています。

各世帯の生活は基本的には分離しており、出掛ける時もとくに声を掛けることはありません。親世帯と子世帯の奥様が1週間、顔を合わせないこともあるそうですが、両世帯の関係は良好。各世帯とも、車を1台ずつ所有していますが、子世帯のご主人であるNさんが車で出かけてしまうと、Nさんの奥様が親世帯の車を借りることもあるため、奥様は、親世帯の車のスペアキーを持っているそうです。何かあったら協力する、二世帯同居らしい関係性です。

またN邸は、2つの世帯を階で分け、玄関から生活空間に至る動線も世帯ごとにきっちり分かれています。さらに浴室や洗濯機などの水回りを上下の階の同じ場所に重ねることで、排水音が互いの世帯に迷惑をかけない間取りになっています。

干渉しないコツは「見えないようにする」こと。

親世帯と子世帯、世代が違えば、洗濯のたたみ方ひとつ取っても違いはあります。その違いにいちいち干渉してしまうと、お互いがストレスを感じてしまいます。しかし、違いを見つけてしまうと、そこに口を出さずにいることは難しいでしょう。生活空間を分け、「違いを見えない」ようにし、余計なストレスを減らすこと。それが、円満同居を実現するための、工夫の1つです。

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